webで事情に詳しくなれるのはweb業界のほんの一部だけ(それでも凄いことなんだけどさ)

このへんはMicrosoftMSDNやらOracleやらAppleWWDCセミナーの話はNDAも関係してblogで書かれない法則が発動しているよなぁと思う。(オレが知っている範囲でこの現象に似ているのはというと。DTP関係のセミナーの内容も、受講が有料だったりするためかblogでまとめエントリーやレポが書かれないことが多いよなぁということ)
オレのマイミクが語ってたAmazon.co.jpのデータベース立ち上げのエピソードなんて、もし書籍にして売ってたら光の速度で買うぞって勢いで面白いんだけど。あんまりWebでそういうのが広まっていないよね。
だから「知らない事はこの世に存在しない事」という人間が持っている特性によって、SIer方面の認識はWebでは冷遇されているんだろうなぁ。

void GraphicWizardsLair( void ); // AmazonはSIerな方面もWeb2.0も強いのに、なぜかSIer分野はblog界隈で注目されないよね

以前、データストレージexpoの基調講演で聴いた限り、楽天のシステム運用は、apcheやmysqlしか使いませんというチープ革命なシステムとは全然違っていて、SIerが企業システムで使っているようなOracleで、ストレージはSANとかNASとか使っていたりと、普段ネットではなかなか目にすることのないけど、世界を普通に支えているシステムで運用されているわけです。

この辺のシステムの特徴として、ノウハウ的な情報が、おもしろいことにインターネットには全く出てきません。
きっと、企業とベンダーの中で問題やノウハウは蓄積されているからなのでしょう。
SIerさんもお客さんのところに入っているシステムですから守秘義務としてインターネットで良いだの悪いだの語れるはずもなく。)

http://www.milkstand.net/fsgarage/archives/001001.html

就職活動をすることになって実感したのは、IT系のwebにおける異常な露出の高さだ。トップクラスのエンジニア同士のコミュニケーションがネットのそこらじゅうで公開されてる、こんな業界他にないぜ?
ぼくはついこないだまで駄目学生というかネット中毒の廃人のような立場にあったんだけど ――いや今でも似たようなものなんだけど―― にもかかわらず一ヶ月ちょいで就職活動に終止符を打つことができたのはこの業界のある種異常な特性に拠るものが大きい。
ただし、ネット上で露出が高いのはIT系の中でもほんのわずかな領域に限られていることも実感した。web系と呼ばれる領域、そのほんの一部、いわゆる軽量言語界隈。世の中には他にも色々な仕事―― エンタープライジーエンタープライズシステムをJavaで構築する仕事やC++で組み込みシステムを組み込む仕事やハードウェア記述言語でハードウェアを記述する仕事、ビッグでバッドでレガシーなシステムを忘れられた言語で構築する仕事や、いやITに限らないと特製のトンネル掘削機を作る仕事や軍需システムにまつわる仕事や造船業界やエトセトラ、とにかく凄い仕事をする業界で満ちていて、しかしその凄さがネットを通して一般に伝わってくることはとても少ない。
えーと、それで、何が言いたいんだっけ。
まあなんだ、ネット上から見える景色なんて、本当に、本当に狭いんだよ。凄いけど無名で、実際中を覗いてみるまでその凄さを認識できない会社が99パーセントなんだ。だから機会を逃さずに、いろんなところを見てまわるべきだと思うんだネットは程々にして。


なんてありきたりな結論だ!ふざけてるのか。


――しかし裏を返せば、web中毒の引き篭もりにとって、web業界は福音だ。なんたってひきこもったまま業界事情に詳しくなれるわけだからな(うまくすれば人脈までできるかも)。ちょうおすすめ!