エンジニアのためのWord再入門講座
作者の口が悪いのは過去に色々トラウマがあるからか。エンジニアの誇りをかけて「方眼紙Excel的なもの」が跋扈する組織と(そしてWordのUIと)戦ってきた筆者の壮絶な記録なのだこれは……。
願わくば「エンジニアのためのExcel再入門」も欲しい。
内容に関するメモ
- ドキュメントにかかるコスト
- 作成のコスト
- 配布のコスト
- 理解のコスト
- 保守のコスト
- 見栄え>メンテナンス性>内容
- 理解のコストを下げるのが大事。誰も読まないドキュメントは無価値。
- 次に重要なのはメンテナンス性。
システムに高いメンテナンス性が要求されるなら、ドキュメントにも同じことが要求される
- 変化にすみやかに対応できないといけない
経験上、「DataBase」も危険なキーワードだと思います
1.4 くたばれ!Excel方眼紙
(Excel方眼紙がいかにクソかという話を5ページほどしている)
- ワードプロセッサの機能を理解し、活用すべき
- 文字装飾・レイアウト
- ヘッダ/フッタ
- 目次・索引
- 脚注
- 図表
- 連番
- 相互参照
- 校正
- アウトライン・プロセッシング
- スタイル: 見栄えの統一
- Wordのおすすめ設定
校正機能を無効にすべきではない。
たとえば、「サーバ」と「サーバー」が混在しているようなドキュメントは見苦しいのはもちろんのこと、作成者が言葉を大切に扱っていないことを露骨に示してしまいます。そのような人間の言葉を、誰が信じるというのでしょう
「です・ます」調と「だ・である」調の混在が悪であることは、小学生でさえ知っています。
よく使う変な言葉(クラス名とか)は辞書化しておくと校正で検出されない
- スタイル
- HTMLでいうところのCSS
- スタイルは階層化できる(「標準」はいろんなスタイルの親なので変更時注意)
- 親+差分で定義できる
- 日本語は等幅、英語はプロポーショナルが見やすい
- WordのクソUIを補完する丁寧なバットノウハウの解説が
- 箇条書きに関するBK(「歴史的な事情から」3種類のやり方があってうんぬん)
- 実際の使い方
- 直接書式設定→スタイルを適用するとダイアログが出るのでそこからスタイル定義に反映、というのが楽
- スタイルの自動更新はチェックするな
- オプション「スタイルの更新のメッセージを表示する」は有効にしとけ
- 「処理機の履歴を維持する」「書式の不統一を記録する」で書式の不統一撲滅
- Ctrl+Q(段落書式の解除)
- テンプレート
- スタイルの設計が重要
- ページ設定
- テンプレート作成に関するノウハウ
- 図表
- 描画キャンバス
- グリッド
- 描画オブジェクト内のテキストにもスタイルを指定できる
- 浮動オブジェクト、アンカー
- 表スタイル、表で使える演算子、配置モデル
- チーム作業の効率化
- ドキュメントの分割(グループ文書)
- 更新履歴管理
- バージョン管理
- Wordにはdiff機能がある(ツール-文書の比較と反映)
- tortoiseSVNだと標準で対応してるらしいが(知らなかった……)
- 「作成者」「更新者」を記録しとく習慣はクソ
価値を生まない決まりに存在意義はありませんし、価値を生まない決まりを遵守することに汲々とするだけの組織にも存在意義はありません。
エンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方
posted with amazlet at 09.10.19
おすすめ度の平均:
為になったすばらしいWord入門書
数少ない、明確な視点・コンセプトのWORD本
アプローチは悪くない。のでもっと他社も追随すべし
悪いとこもあるが、おすすめです。